1970年代に起こった原油価格の急激な上昇のこと。「オイル・ショック」とも言う。
「石油危機」とも呼ばれるが、産油国にとっては危機ではなかったので、世界史的な用語としては適当でない。
- 1973年10月 第1次石油ショック
- 第4次中東戦争勃発。
この時アラブ諸国は石油戦略を発動。アラブ石油輸出国機構(OAPEC)が石油の減産・禁輸を行い、OPEC(石油輸出国機構)は原油価格を一挙に4倍に引き上げた。
- 1974年春
- 原油価格は1972年末の約5倍に値上がり。
世界経済は大打撃を受ける。
- 1979年2月 第2次石油ショック
- イラン革命。原油再び価格急騰。
- 1980
- イラン・イラク戦争発生。
両国の石油輸出がストップしたため石油価格は第2次ショック以前の2倍半に上昇。
また金銀など商品相場も高値を付け、ドルは急落。
- 1980年代前半
- 世界的大不況。
物価上昇→高金利→景気後退の悪循環に陥る。
石油1バーレル=20ドル時代を迎え、西側各国は石油消費の抑制とエネルギー源の多様化を図り、コスト削減が徹底された。
これに対し東側共産圏では低廉な域内エネルギーを用いたため、産業合理化を怠った。
これが、1985年以降、原油価格下落で西側の重石が取り除かれた時に、東西産業の格差を広げ、ひいては1989年の東欧革命で共産政権の将棋倒し的な倒壊を招く伏線ともなったと言われる。
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