= 武力併合の鬼っ子・民兵 =
併合以降、国軍や公務員のOBは各村で自警団を組織して独立派ゲリラの襲撃に備えてきた。
が、1999年1月にハビビ大統領が「独立容認」を打ち出すと、危機意識を持った彼らは団結し、地方ごとの民兵組織を結成。
主なものは次の通り。
- アイタラク (とげ)……中心都市ディリに所在。
副司令官エウリコ・グテレスは、陸軍特殊部隊 (コパスス) 司令官を務めたプラボウォ中将が地方司令官だった頃の「秘蔵っ子」で、ウィラント国軍司令官とは路線を異にすると言われる。1999年の住民投票では独立派と和解の姿勢を見せる。
- ブシ・メラ・プティ (紅白の鉄)……リキサ所在。
- ハリリンタル (稲妻)……マリアナ所在。
- グントゥル (雷)
- アムルイ
これらは統一組織ではなく、各グループが別々の司令官に従い、私兵集団としてばらばらに行動。主に東ティモール西部に勢力を張る。
従来から国軍の情報機関は自警団を利用。ハビビの独立容認表明後は公に支援できなくなるため、同機関が資金を提供して併合派民兵を組織し、「これからは自分で身を守れ」とM16自動小銃など武器を横流ししたと見られる。
よって、「併合派民兵」とは、以前の「国軍・警察官」が衣装と名前を変えただけだとの見方も多い。
8月末の住民投票実施後、攻勢を強めた理由は、
- 西部地域から独立派を追い出し、併合派の領域を確保する。
- ウィラント国軍司令官ら主流派に対する、プラボウォに近い守旧派の巻き返し。 (国軍内部の勢力争い)。
などが言われている。
住民投票後に投入された兵力はウィラント派の戦略予備軍で、武装民兵を統制し切れず、民兵による住民襲撃が激化した。
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