BP (BP plc)
かつては「
現在、純然たる民間企業であるBPを、石油・ガス・石炭等の化石エネルギーの「情報源」としてここにご紹介する理由は、ひとえに、彼らが毎年公表している「世界エネルギー年間統計報告書 (Statistical Review of World Energy)」、通称「BP統計」ゆえのことです。
事業内容
- 石油・天然ガスの探鉱・開発・生産
- 石油精製、石油化学製品の製造等
- 原油・天然ガス(LNG含む)、石油製品・石油化学製品の輸送・販売等
- 原油・天然ガス等を燃料とする発電事業
- 太陽光発電・風力発電等の再生可能エネルギーの開発
ウェブサイト
・BPのウェブサイトはこちら
→ https://www.bp.com/
世界エネルギー年間統計報告書 (Statistical Review of World Energy)、通称「BP統計」
BP統計は、石油・天然ガス等の生産量・消費量などを、年次別・地域別に表にしたものが中心で、Excelデータとしてダウンロードし、加工して使うことも容易です。
世界中で直接、探鉱開発を行い、産油・産ガス国や消費国の政府を含む多数の相手とグローバルな交渉を行うBPが、長年蓄積した膨大なデータを無料で利用できる点で、大変便利な物であり、世界中の研究者、アナリスト、記者、企業人等に重宝されています。
・BP統計ダウンロード用ページ(英文)
・BP統計(日本語ウェブサイト)
・「プレス・リリース」カテゴリーに掲載されている2016年度BP統計の日本語による要約
但し、BP統計を利用する際には、この統計特有の“癖”を知っておくことが必要です。
例えば、通常「天然ガス」の生産量にカウントされる「天然ガス液(NGL)」(ガス中に含まれる液体分)を、BP統計では「原油」生産量に分類しています。このため、他の統計より原油生産量が多く計算されています。
また、ガスの生産量は“商業化”された――つまり販売された分しか生産量に計上されませんが、実際には販売用のガス・パイプラインが敷設されていない油ガス田でもガスは生産されており、それらは放散塔で焼却処理(フレア)されるか、地下の貯留層の圧力維持のために「再圧入」されます。BP統計にはこれら「フレア」及び「再圧入」分が含まれないため、生産量は実際に井戸から生産された量より少なくなっています。
原油や天然ガスの可採年数は、可採埋蔵量を年間生産量で割ったものですから、BP統計の生産量を無批判にそのまま使うと、別の統計との間で、生産可能な残り年数にも差が出てくることになります。
BP統計は便利なため幅広く使われていますが、こうした“癖”があることを知った上で、他のデータとも見較べて、用途に即して利用していくのが正しい使い方と言えそうです。
BPエネルギー見通し (BP Energy Outlook)
BPは統計データだけでなく、それを分析に用いたエネルギー見通しも毎年公表しています
・BP Energy Outlook