国際エネルギー機関 (IEA)
国際エネルギー機関 (International Energy Agency: IEA) は2017年12月1日現在、経済協力開発機構(OECD)の下部機関で、OECD加盟国(現在35か国)のうち備蓄基準を満たす29の加盟国で構成される安価・クリーンなエネルギー供給を追求する諮問機関です。
目的・活動
次の「4つのE」を共通目標に掲げ、
- エネルギー安全保障の確保(Energy Security)
- 環境保護(Environmental awareness)
- 経済成長(Economic development)
- 世界的なエンゲージメント(Engagement worldwide)
- 石油・ガス供給途絶等の緊急時への準備・対応と市場の分析
- 中長期の需給見通し
- エネルギー源多様化
- 電力セキュリティ
- エネルギー技術・開発協力
- 省エネルギーの研究・普及
- 加盟国のエネルギー政策の相互審査
- 非加盟国との協力
2015年の閣僚理事会では、新たなマンデートとして以下が加盟国により確認されました。
- 主要新興国との拡大された関与を通じたIEAの門戸開放
- エネルギー安全保障へのコミットメントの強化・拡大(ガス安全保障を含む。)
- 省エネを含むクリーン・エネルギー技術のハブとしてのIEAの役割強化
沿革
IEAは、第1次石油危機後の1974年2月に、キッシンジャー米国務長官(当時)の提唱を受け、先進石油消費国が協議して、同年11月に経済協力開発機構(OECD)枠内の国際機関としてパリに設立されました。
元来、OPEC(石油輸出国機構)に対抗する目的で設立された石油消費国側の機関で、加盟国の短期及び中長期のエネルギー事情を改善する目的で、備蓄、緊急融通システム整備、省エネ、代替エネルギー開発等を進めてきました。
しかし、その後の国際的な状況の変化に応じ、
- 天然ガス、石炭、原子力など石油以外のエネルギー源への対応
- 中国・インド・ロシア等主要非加盟国との協力
- 気候変動問題に対処するためのエネルギー面からの分析やエネルギー技術面での貢献
さらに2005年以降、G8・G20サミットプロセス関連の活動も多くなっています。
・IEAのウェブサイトはこちら → http://www.iea.org/
世界エネルギー見通し (WEO)
IEAは毎年11月頃に「世界エネルギー見通し (World Energy Outlook: WEO)」を公表しています。
これは、OECD諸国が中心ではありますが、中・長期にわたる世界のエネルギー市場の予測として大変有用なデータ集です。
・World Energy Outlook
・World Energy Outlook 2017 概要(英文)
・World Energy Outlook 2017 概要(日本語版)
月例石油市場レポート (OMR)
IEAはまた、毎月「月例石油市場レポート ((Monthly) Oil Market Report: OMR)」も公表しています。
これも、短期の原油市場の需給を確認するのに重要なデータです。
なお、OECD日本政府代表武はIEAのレポートを日本語に要約してウェブサイトに掲載していますが、他の業務で忙しい場合は時間的に遅れることもあるようです。2017年12月1日時点でのOMR日本語要約の最新版は、2017年3月15日公表分となります。